酒類を提供する店では、18歳未満を22時以降に客へ接する業務に就かせることはできません。「うちはコンカフェだから」「メイド喫茶に近い業態だから」という説明は、酒を出している時点で通りません。まずこの一点だけは、例外なしの線として押さえてください。
この記事は、働きたい側ではなく店を運営する側に向けて書いています。「コンカフェ 18歳 何時まで」「高校生は働けるのか」と検索してくるのは求職者が多い一方、答えを出す責任は雇う側にあるからです。応募者が年齢をどう申告してきても、時間帯の線を引くのは店です。ここでは18歳未満の応募者をどう扱うか、そして違反を仕組みでどう防ぐかを整理します。
結論から言えば、この種の違反はほとんどが確信犯ではなく、生年月日がシフトを作る人の手元にないことから起きています。法令の説明よりも、22時をまたぐ枠に18歳未満が入らない状態をどう作るかのほうが、現場では効きます。
22時の壁は風営法と労基法の二重規制
酒類を提供する飲食店では、午後10時から翌朝6時までのあいだ、18歳未満の者を客に接する業務に就かせることが風営法で禁止されています。ここでいう「客に接する業務」はホールでの接客も含み、席についていなければセーフ、という話ではありません。
この規制には例外の枠もあります。主食を提供する店や、茶菓のみを出す店です。コンカフェが「カフェだから対象外では」と考えられがちなのは、この例外の存在が理由でしょう。ただし、酒類を提供する店はこの例外から外れます。フードメニューが充実していようと、看板にカフェと書いてあろうと、アルコールを一杯でも出していれば、22時以降に18歳未満を客前に立たせることはできません。ガールズバーやコンカフェで「18歳から働ける」と募集を出す場合、それは18歳の誕生日を迎えた人の話であって、17歳の応募者に当てはめてよい話ではありません。
そのうえで、雇用しているスタッフが18歳未満なら、労働基準法の深夜業の規制もかかります。こちらは午後10時から午前5時までが原則禁止で、客に接する業務かどうかを問いません。厨房の洗い場に回せば22時以降も働かせられる、という抜け道は、労基法側でふさがれているということです。
つまり18歳未満については、風営法と労基法の二重の規制がかかっています。片方だけを見て「客前に出さなければいい」「短時間だから大丈夫」と判断すると、もう片方に触れます。運用としては「18歳未満は22時までに退勤」と単純化してしまったほうが、現場は迷いません。22時ぴったりに終業では帰り支度が間に合わないので、実際には21時台での上がりを最終の枠にしている店が多いはずです。
では18歳未満の応募者が来たとき、店はどう扱えばよいか。採らないと決めてしまうのがいちばん簡単ですが、昼から夕方の時間帯で人手が要る店なら、選択肢はもう一つあります。時間帯を限定した枠でだけ採用し、22時以降のシフトには最初から入れない設計にすることです。ただしこの運用は、シフトを組む全員が本人の年齢を把握していて初めて成立します。把握できる仕組みがないまま「気をつけて回す」だけで採用すると、忙しい日に一度崩れます。採るなら仕組みを先に作る、作れないなら採らない。この順番で決めるのが安全です。
接待は時間帯を問わず18歳未満に不可
時間の話より先に確認しておくべき線があります。風営法上の接待にあたる業務を18歳未満にさせることは、時間帯を問わず禁止されています。22時までなら接待させてよい、という読み方はできません。
ここで多いのが、そもそも自店の営業がどちらなのかを整理しないまま運用しているケースです。客の隣に座って会話の相手をする、一緒にゲームで盛り上げる、チェキで距離を詰める。こうした業務が接待にあたると判断されるなら、風俗営業の許可が要ります。無許可のまま接待にあたる営業をしていれば、18歳未満を何時まで働かせるかという以前に、無許可営業の問題になります。時間帯の管理を整える前に、自店の営業形態が届出で足りるのか許可が要るのかを、管轄警察署へ確認しておいてください。
もう一つ、年齢の線は18歳だけではありません。20歳未満への酒類提供も禁止されています。18歳・19歳のキャストが自分で飲むのはもちろん、客からのドリンクを受けて飲む運用も同じ話です。「18歳以上だから大人と同じ扱い」ではなく、18歳・20歳の二段階で扱いが変わると理解しておくと、現場のルールが立てやすくなります。
摘発事例と検挙件数。知りながら使えば逃げ道はない
年少者の使用は、実際に摘発されています。歌舞伎町のガールズバーでは、16歳の少女が接客していた事案で経営者が現行犯逮捕されました。報道によれば、この経営者は採用時に年齢を知ったうえで、本人に「客の前では未成年と言わないで」と指示していたとされています。年齢を知りながら使えば、後から「本人の申告を信じた」という言い逃れは立ちません。
件数としても、珍しい事案ではありません。警察庁の令和7年の統計では、20歳未満の者への酒類等提供による検挙が44件、年少者使用による検挙が55件あります。年間の数字として見れば決して大きくありませんが、これは実際に検挙まで至った件数です。摘発された店にとっては1件でも営業の存続に関わります。
そして、この種の事案が発覚するきっかけは、たいてい立入検査や通報です。従業者名簿と現場の顔ぶれが合わない、年齢確認の記録がない、といったところから話が広がります。年齢確認は本人の申告や履歴書の記載だけでは足りず、公的な書類で確認して記録に残す必要があります。この確認と記録の作り方はガールズバー・コンカフェに従業者名簿は必要?で扱っているので、名簿側の整備がまだなら先にそちらを読んでください。この記事では、確認した年齢をシフトにどう反映するかに絞ります。
違反は悪意ではなく仕組みの不在で起きる
先の摘発事例のように、年齢を知りながら使っていた店は言い訳ができません。ただ、現場で起きる違反の多くは、そこまで確信的なものではありません。原因は悪意ではなく、仕組みの不在です。
典型的なのは、生年月日が従業者名簿にしか存在せず、シフトを作る人がそれを見ていない状態です。名簿はバックヤードのファイル、シフトはLINEのグループとエクセル。この二つが別の場所にあると、シフトを組むときに参照されるのは「誰が入れるか」だけになります。年齢は頭の中の記憶に頼ることになり、記憶は在籍が増えるほど曖昧になります。
危ないのは3つの場面です。ひとつは18歳の誕生日の前後。「もう18歳だったはず」で夜の枠に入れて、実際にはまだ17歳だった、という取り違えが起きます。ふたつめは22時をまたぐ枠。19時から23時のような枠を、時間帯の中身を見ずに人数だけで埋めてしまうケースです。みっつめが急な欠員の穴埋め。当日に人が足りなくなって、手が空いている子に「今日だけ入れる?」と声をかける。この瞬間、年齢は誰の視界にも入っていません。当欠の穴埋めが場当たりになりやすい構造は当欠が減らない店のシフトルールで整理しています。
加えて、シフトの原本がLINEのやり取りに散っていると、誰がいつの枠に入ったのかを後から追えません。立入で「この日の22時以降に誰が出ていたか」を聞かれたとき、記録として出せるものがない。違反の有無以前に、違反していないことを示せない状態になります。この構造はシフト管理をLINEグループでやると破綻する理由で詳しく書いています。
年齢と連動したシフト管理を仕組みにする
やることは単純です。生年月日を、シフトを作る画面と同じ場所に持つ。そのうえで、18歳未満のスタッフは22時以降を含む枠に入れられないようにする。この二つだけで、先に挙げた3つの危ない場面がまとめて塞がります。
ポイントは、注意喚起ではなく状態として作ることです。「18歳未満は22時まで」と朝礼で伝えても、当日の欠員でシフトを触る人が別のスタッフなら、その言葉は届きません。人が気をつける運用は、いちばん忙しい瞬間に崩れます。逆に、年齢に合わない枠は最初から選べない形にしておけば、忙しさは関係なくなります。
もう一つ加えたいのが、誕生日で扱いが変わる日付を自動で追うことです。17歳のスタッフは、ある日を境に22時以降の枠へ入れられるようになります。18歳・19歳のスタッフには酒類提供の線が残り、20歳の誕生日でそれが外れる。この切り替わりを人の記憶で管理すると、早すぎる解禁か、遅すぎる解禁のどちらかが起きます。生年月日から自動で判定される形にしておけば、誕生日を誰も覚えていなくても扱いは正しく切り替わります。
そして、組んだシフトが記録として残ること。誰が何日の何時から何時まで出ていたかが後から引ける状態は、立入で説明を求められたときの土台になります。従業者名簿で年齢を確認した記録と、シフトで実際の勤務枠が残っている記録。この二つがそろって初めて、「18歳未満を夜に出していない」と示せます。
ここまでを紙のシフト表とLINEで回すこともできなくはありません。名簿から生年月日を書き写した一覧を、シフトを作る机の上に置いておく。ただしこの運用は、在籍が入れ替わるたびに書き写しが要り、書き写しが1回滞った時点で情報が古くなります。そして情報が古くなったことに、誰も気づけません。手作業のいちばんの弱点は、間違いが起きることではなく、間違いが起きたことが分からないところにあります。
既製のシフトアプリの多くは、飲食一般を想定しているので、年齢による時間帯の制限までは持っていません。私たちは、こうした夜のお店固有の条件を織り込んだシフト管理システムをお店ごとに作っています。生年月日をシフトと同じ台帳に置き、18歳未満は22時以降の枠に入らない、誕生日で扱いが切り替わる。そういう当たり前を、人の注意力ではなく仕組みの側に持たせる作り方です。
よくある質問
コンカフェで18歳は何時まで働けますか?
酒類を提供する店では、18歳未満は午後10時から翌朝6時までの間、客に接する業務に就かせることができません。18歳の誕生日を迎えた人はこの時間規制の対象外になりますが、20歳未満への酒類提供の禁止は続きます。18歳と20歳の二段階で扱いが変わると整理してください。
高校生をコンカフェで働かせても大丈夫ですか?
18歳未満であれば、酒類を提供する店では22時以降に客へ接する業務へ就かせられません。雇用している場合は労働基準法の深夜業の規制もかかります。18歳以上の高校生であっても、深夜の勤務は学校の規則や保護者の同意など、法令以外の面も確認したうえで判断してください。
うちはカフェ業態なので、22時以降も18歳未満を働かせられますか?
主食を提供する店や茶菓のみを出す店には例外の枠がありますが、酒類を提供する店はこの例外から外れます。看板や業態の呼び方ではなく、酒を出しているかどうかで判断されます。アルコールを提供しているなら「カフェだから」は理由になりません。
ガールズバーで18歳のキャストに接客させても問題ありませんか?
18歳以上であれば時間帯の制限はかかりませんが、風営法上の接待にあたる業務は許可が必要です。接待にあたる営業を無許可で行っていれば、年齢や時間帯以前に無許可営業の問題になります。自店の業務が接待にあたるかは管轄警察署へ確認してください。
本人が18歳だと言っているのに、実際は17歳だった場合はどうなりますか?
本人の申告や履歴書の記載だけでは年齢確認として不十分とされています。公的な書類で確認し、その記録を残しておくことが前提です。年齢を知りながら使っていた事案では、経営者が現行犯逮捕された例もあります。確認と記録がないまま働かせていた状態は、店側の説明材料がない状態です。
18歳未満を22時以降に働かせてしまうのを防ぐには何をすればいいですか?
生年月日をシフトを作る場所と同じところに持ち、18歳未満は22時以降の枠に割り当てられない状態にするのが現実的です。誕生日で扱いが変わる日付も自動で判定される形にしておくと、急な欠員の穴埋めでシフトを触るときにも取り違えが起きにくくなります。
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18歳未満を22時以降の枠に入れられない状態を作る
お店専用のシフト管理システムなら、生年月日をシフト作成と同じ場所に持ち、年齢に合わない時間帯の割り当てをそもそも選べない形にできます。誕生日で扱いが切り替わる日付も自動で追えるので、急な欠員でシフトを触るときも記憶に頼らずに済みます。相談は無料で、導入前提でなくても大丈夫です。
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