ドライバーの時給1,500円、閉店後の送りが2時間。そのうち実際に走っているのは半分だけで、残り1時間は、車が誰かの上がりを待っているだけです。毎晩1,500円分の「待ち」を買っている計算で、月にすれば4万円を超えます。時給も時間もお店ごとに違いますが、待機と迂回のムダは、たいていの店で似た形で発生しています。

送迎の待機時間と迂回を減らすには、方面・希望出発時刻・上がり予定・同乗条件を一覧にし、近い方面と時間帯で便をまとめます。最短距離だけでなく待ち時間や予定変更への対応まで含めて組み、変更は口頭で重ねず、配車担当・ドライバー・店舗が同じ最新版を見られる状態を作ることが核心です。

改善できているかは、便数・走行時間・待機時間・走行距離を変更前後で記録して初めて判断できます。この毎晩の「待ち」がどこから生まれ、どう減らせるのかを、順に見ていきましょう。

送りのムダは2種類

送りのムダは、大きく分けて二つです。ひとつは待機。上がり時間が読めず、車が店の前や近くのコンビニで人を待っている時間です。もうひとつは迂回。同じ方面のキャストを、たまたま上がりがずれたせいで別の便で二度送ってしまう。板橋方面へ23時に一人、0時にもう一人。本来なら一便でまとめられたのに、走行距離が倍になる。

どちらも原因は同じところにあります。上がり時間とエリアの情報が、直前までドライバーに届かないこと。誰がいつ上がるか、どの方面に何人いるかが会計が済むまで確定しないと、ドライバーは組みようがなく、来た順に一人ずつ送るしかなくなる。ムダは車の走り方ではなく、情報の届き方から生まれています。

この二つは、性質が少し違います。待機はドライバーの時間が丸ごと消えるので人件費に直結する。迂回は時間とガソリン代の両方が増える。どちらを先に潰すかは店によりますが、まずは自店の送りがどちらのムダに寄っているかを分けて見ることから始めます。待機が長いのか、同じ方面を何度も走っているのか。原因が違えば、打つ手も変わります。

上がりのばらつきに強い組み方

上がり時間は毎晩ばらつきます。だから「確定した人から順に車へ積む」やり方だと、その日の運次第で効率が上下する。強いのは逆の発想で、先にエリア別の便を決めておき、上がった人をそこへ割り当てていく方式です。板橋方面の最終便は0時発、川口方面は0時15分発、と方面ごとの最終便時刻を先に切っておく。すると「この便に乗るなら、あと15分で上がってもらう」という逆算が効き、客との会計やアフターに回るかの判断も早くなります。

順番の基本は、遠方を先に、近場を最後にまとめる。西川口や川口のような遠い方面を早めに出し、店の近くのキャストは最後の便で数人まとめて送ると、車の総走行距離が縮みます。ただし例外もあります。終電のあるスタッフや、始発まで待てない事情のある人は、方面にかかわらず優先して先に出す。効率だけで機械的に組むと、こういう個別事情を落とします。

方面別の最終便時刻を決めておくと、フロアの動きも変わります。「板橋の最終便が0時発だから、それに乗るなら次で会計をお願いします」と黒服が逆算で声をかけられる。上がりを待って車を止めておく時間が減り、キャスト側も自分がどの便に乗るのかが早い段階で見える。送りの効率化は、ドライバーの走り方だけでなく、フロアの会計とアフター判断の速さにも効いてきます。裏を返せば、便の時刻が決まっていない店は、この逆算が全部その場の勘に委ねられているということです。

送迎表をリアルタイムに保つ

紙の送迎表は、閉店の30分前あたりから書き換えが追いつかなくなります。この人が急にアフターに行くことになった、あの客がもう一杯頼んだから上がりが後ろにずれた——こうした変更が数分おきに起きる時間帯に、消しゴムと手書きでは間に合いません。そして反映が「フロアからドライバーへの口頭伝言」に変わった瞬間、事故ります。聞き漏らし、伝え忘れ、二重の指示。深夜にキャストを店の前で待たせる原因の多くはここです。

ありがちなのが、ドライバーが手元に持っているのが23時半時点の古い表で、その後の変更がフロアの頭の中にしかない状態です。3便に乗るはずだった子がアフターで抜けたのに、ドライバーはその子を待って車を止め続ける。表とフロアと車内で、それぞれ違う「最新」が同時に存在してしまう。誰の持っている表が本物なのかが曖昧なほど、待機は増えます。

送迎表そのものの作り方は送り表を作ってドライバーへ共有する手順にまとめています。基本形を紙で運用しているなら、変更が起きても最新版を全員が同じ画面で見られる状態にしておくだけでも、口頭伝言の事故は減らせます。その毎晩の伝言を人の記憶と声だけで回し続けるのはしんどい——だから、上がりやアフターの変更をその場で反映して全員へ同じ画面で届けるために、私たちは送迎管理システムを作っています。

待機時間はコストであり労務でもある

冒頭で「待ち」を人件費として数えたのには理由があります。ドライバーが店の雇用であれば、店の指示で上がりを待っている待機時間は、原則として労働時間になり得ます。つまり送りの効率化は、単にガソリン代を削る話ではなく、人件費対策そのものです。待機を1時間減らせれば、その分が支払う賃金にも直接効く。労務としての待機時間の扱いは送迎と道路運送法・労務の注意点をまとめた記事で詳しく触れています。

数字で振り返る

効率化がうまくいっているかは、感覚ではなく数字で確かめます。見るのは、1晩の送り件数、走行距離、送りにかかった所要時間。これを週次で並べると、便の組み方が改善したのか、それとも待機が増えているのかが見えてきます。金曜だけ極端に時間がかかっているなら、その曜日の便の切り方に手を入れる余地がある。

もうひとつ、ガソリン代の月次推移は運用悪化のわかりやすいシグナルです。送り件数がほぼ横ばいなのに給油額だけ伸びているなら、どこかで迂回が増えている。同じ方面を二度走る便が常態化していないか、最終便の時刻設定が実態と合っているかを見直すきっかけになります。数字は責めるためではなく、来週の便の組み方を一つ変えるために見ます。

細かく管理しようとして最初から10も20も指標を並べる必要はありません。件数と所要時間、それに月次のガソリン代。この三つだけでも、便の組み方が良くなっているのか悪くなっているのかの向きは十分わかります。毎晩つけるのが続かないなら、まずは週に一晩、送りが多い金曜か土曜だけ記録してみる。そこで見えた傾向を翌週の便の切り方に一つ反映する。この往復を回すことが、待機と迂回を少しずつ削っていく現実的なやり方です。

よくある質問

配車アプリタクシーを併用するのはアリですか?

併用自体は可能で、繁忙日だけ外部の配車サービスを組み合わせて自店ドライバーの負荷を分散する店もある。ただしキャストや客から費用を集める形にすると別の論点が出るため、無償の便宜として扱えているかは確認しておきたい。

便を組むための一覧はExcelでも十分ですか?

変更が少ない小規模な店ならExcelでも回せるが、閉店間際の変更が多い店では更新が追いつかず、紙の送迎表と同じ「反映漏れ」が起きやすい。変更頻度が高いほど、全員が同じ最新版を見られる仕組みが必要になる。

雨の日など特殊な条件がある日はどう組めばいいですか?

通常より待機や迂回が増えやすいので、天候や大型イベントの日は便の切り方を別枠で記録しておくと、通常日との比較がぶれずに済む。数字で振り返るときも、特殊要因のあった日は分けて見るとよい。

この記事の課題を、システムで解決するなら

毎晩1,500円分の「待ち」に、先回りする

お店専用の送迎管理システムなら、方面・希望時刻・上がり予定をもとに便を自動で組み、変更後の配車と乗車記録もその場で共有できます。上がりの変更にその場で追従できるので、車が誰かを待つだけの「毎晩1,500円分の待ち」を減らせます。相談は無料で、導入前提でなくても大丈夫です。

画面も項目も、お店の運用に合わせて一から設計します。何をシステムにするか決まっていない段階のご相談も無料で承ります。

※ 画像は過去の開発例で、実際に開発する画面とは異なります。

実際に開発した画面の一例

画面は開発例です。項目・機能・デザインは、お店の運用に合わせて一から設計します。

使うとどう変わる?

送り希望から便・乗車順・完了までを共有し、待ち時間と伝達漏れを減らします。

  1. 1キャストの送り希望を回収
  2. 2方面別に便と乗車順を割当
  3. 3ドライバーが乗車・完了を記録
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