体入10人のうち、本入は何人ですか。即答できない店は、まずそこからです。この数字を知らないと、本入が決まらない原因を「最近の子はすぐ辞める」という感想で片づけてしまう。感想からは改善が生まれません。

体入から本入店につなげるには、まず「本入人数÷体入人数」で本入率を把握し、辞退理由を記録することが出発点です。体入は来るのに本入へ進まない場合、原因は求人媒体よりも、当日の説明・席の付け方・スタッフの対応・終了後の連絡にあることがほとんどです。

担当者別・曜日別・媒体別に数字を分けると、どこで本入率が下がっているかが見えてきます。本入が決まる本当の分岐点——帰り道の30分から、翌日の連絡まで——を順に見ていきましょう。

本入が決まらない原因は帰り道に生まれる

体入の子が入店を決めるかどうかは、店を出た後の帰り道で固まります。その日、店で見ていたのは3つです。ここは働きやすそうか。稼げそうか。人間関係が怖くないか。求人に書いてある時給や待遇ではなく、実際に数時間その場に身を置いて、自分がここでやっていけるかを確かめに来ている。体入は見学ではなく体験です。

だから、放置された時間の長さがそのまま印象になります。卓が付かず、一人でカウンターの端に座らされ、誰にも話しかけられないまま30分。その30分が「この店は自分を大事にしない」というメッセージとして伝わる。本人は言葉にしないまま帰り、翌日「他店で決めました」と返ってくる。当日の空白を放っておくことが、いちばん静かに本入を潰します。逆に言えば、稼げる額や時給がよそと横並びでも、当日の居心地で選ばれる余地は十分にある。そこが店側で動かせる部分です。

席の付け方と最初の30分

当日その場で「誰か体入の子に付いて」とフロアに投げるのは最悪の型です。手が空いたキャストが渋々付くか、誰も動かず放置になる。最初に付ける席と、付き添うキャストは事前に決めておきます。面倒見のいいキャスト、あるいはその子と年代や雰囲気の近いキャストを当てると、最初の会話が転がりやすい。

客の選び方も要ります。太客だからと初回から付けたくなりますが、要求の細かい常連やクセの強い客に体入初日で付けると、「この仕事、無理かも」で終わりかねない。初回は当たりのやわらかい席から入れて、店の空気に慣れてもらう順番にします。

ヘルプで回すときも、声かけ一つで印象が変わります。「緊張する?最初はみんなそう。分からなかったら私に聞いて、隣にいるから」。この一言があるかないかで、体入の子の肩の力が抜ける。段取りの中身より、放っておかれていないと感じてもらえるかどうかが効きます。

卓が切れて手が空く瞬間も要注意です。付いていたキャストが次の卓に呼ばれ、体入の子だけがフロアに残される。この間を放置しない。「ちょっと外すけど、すぐ戻るからここで待ってて」と一声かけて、店長かママが一言でも様子を見に行く。誰の視界にも入っていない時間をつくらないことが、当日いちばん地味に効く配慮です。

給与と条件の話を曖昧にしない

本入を決める最後の一歩は、お金の話が具体的に見えているかどうかです。体入時給はいくらか。本入後の時給とスライドはどうなるか。そして引かれものが何にいくらかかるか。ここを当日中にはっきり伝えます。ヘアメイク代、送り代、罰金の有無まで、後から出てくる引かれものは、辞退と早期退店のいちばん多い理由です。給料日に想定と違う額を見て、黙って来なくなる。

「詳しくは入ってから説明するね」が、いちばん不信を生みます。言えない事情があるのかと勘ぐられる。むしろ引かれものを先に全部開示するほうが、誠実な店だと伝わって本入につながります。稼げる額のイメージを、その子が帰り道に計算できる状態にして帰す。それがクロージングの土台です。

帰り際のクロージングと翌日の連絡

帰り際を「また連絡するね」で終わらせると、その連絡はたいてい相手からは来ません。決めるべきは次の出勤候補日です。「今日ありがとう。来週の火曜か木曜、どっちか出られそう?」まで踏み込む。日付の話に進んだ時点で、相手の頭は本入モードに切り替わります。曖昧なお礼で見送るのと、次の一歩を置いて見送るのとでは、その後の返信率がまるで違います。

翌日の連絡は、営業のトーンを消します。「昨日はどうでしたか、ぜひうちで」だと、他店からも同じ文面が来ていて埋もれる。効くのは、当日の具体的な良かった点を一つ入れることです。「昨日◯◯さんとの卓、すごく楽しそうに話してたね」。自分を見てくれていたと伝わる一言が、横並びの求人票の中で店を思い出させます。テンプレートの追客では届きません。

送る時間帯も見ておきます。深夜あがりの子に朝早く送っても寝ていて既読が付かず、そのまま流れる。相手の生活リズムに合わせて昼過ぎから夕方に送ると、目に留まりやすい。返信が来たら、そこで次の出勤日を詰める。連絡のタイミングと中身の両方が、帰り際に置いた候補日を現実の出勤に変えていきます。

体入データを振り返る

本入率は、記録して初めて上げられます。体入→本入率、そして辞退した子の理由。これを担当者別、曜日別、媒体別に並べると、感覚では見えなかった偏りが出ます。特定の担当者が付いた日だけ本入率が低い、条件説明が理由の辞退が多い、といった形で。原因が絞れれば、その担当者の当日の動きを見直す、条件開示のタイミングを早める、と手が具体化します。辞退理由を「なんとなく合わなかった」で終わらせず、選択式で残すのがコツです。

そもそも当日来てもらう前段のドタキャン対策は体入のドタキャンが減らない店と減る店の違いで、応募から本入までを一つの表で追う方法は応募・体入・本入店を一つの表で管理する方法で整理しています。当日の体験設計は、この記事のとおり人にしか作れません。ただ、その結果を担当者別・曜日別に記録し、辞退理由を振り返る作業まで人の手と記憶に乗せ続けると、教育や引き継ぎのたびに抜け落ちていきます。体入10人のうち何人が本入したか——その数字を感想に戻さないために、体入・採用管理システムを作っています。当日の体験設計と、その結果を振り返る仕組み。この両輪が回り出すと、本入率は感想から数字に変わります。

よくある質問

体入時給と本入店後の時給が違う場合、いつ伝えるべきですか?

体入当日中に、本入後の時給とスライド条件まで含めて伝えるのが基本です。「詳しくは入ってから説明する」は不信感を生みやすく、稼げる額を帰り道でイメージできる状態にして送り出すことが、本入への決め手になります。

体入で複数の子を同時に呼んでも問題ないですか?

人数自体に決まりはありませんが、一人ひとりに付くスタッフや席を用意できないと、放置される時間が生まれて印象を落とします。同時に呼ぶ人数は、当日ちゃんと付き添える体制と合わせて決めるのが安全です。

本入を断られた場合、後日また誘ってもいいですか?

問題ありません。当日の条件や雰囲気が合わなかっただけで、時期が変われば状況が変わることもあります。ただし何度もしつこく誘うと逆効果になるため、辞退理由を記録し、的を絞って再アプローチするのが現実的です。

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使うとどう変わる?

応募から体入・本入店までを一人ずつ追い、離脱しやすい工程を見える状態にします。

  1. 1応募者と媒体を登録
  2. 2面接・体入の進捗を更新
  3. 3媒体別の本入店率を比較
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